2010年08月22日

松前城〜戊辰戦争の激戦地

2日目の最初の目的地は、北海道の一番南、松前です。
青函トンネルは松前の地下を通っているのですが乗降できる駅がないので、
特急停車駅でいちばん松前に近い【木古内】からバスでアクセスすることになります。

函館から木古内まで約40分。
木古内から松前方面へのバスへの乗り換え時間はたった3分。
特急のドアが開くと同時に飛び降りて改札へダッシュ!
…よりによって階段から一番遠い車両でした。

※木古内駅の改札への階段は長いホームのいちばん青森寄りに1つだけ

改札を駆け抜けながら『バス停はどっちですか?!』と訊き、
駅員さんが指さしてくれた方の階段を駆け下り…

バスになんとか間に合いました。

〜〜

そのままバスで約90分。
途中なぜか土砂降りになり天気を心配したのですが…
後半は天気も回復。海岸沿いを通って眺めも良好。

【松城】で下車する頃には日も射してきました。

※…って、僕以外誰も降りねぇ。午前中に松前城見学をするならこの便に乗るのが一番なのに…
※つーかそもそもバスに数人しか乗っていなかったし…

松城バス停付近.jpg

バス停は海のすぐそば。
海側を見れば道のすぐ下にはテトラポッド。

松城バス停より松前城を見る.jpg

山側を見れば街並みの向こうに松前城天守閣が見えています。
…ちなみに手前左側にある時代劇にでてきそうな建物は、木古内へ向かうバスの待合室。飲み物の自販機やトイレもあります。

では城の方にむかいます。

〜〜

バス停から城へ向かう途中の商店街も歴史建築風なデザインの店舗が多く、
全体で『城下町』の雰囲気を作ろうとしているようです。

松前城は江戸末期、ロシア船来航に対応して北方警備のために築城されたもの。
北海道唯一の、そして全国で最も新しい日本式城郭として、城郭ファンならば一度は行ってみたい場所です。

松前城は海からの攻撃に備え、海側から三ノ丸・二ノ丸・本丸と階段状に曲輪が並んでいます。
ですが実際に松前城が経験した戦闘は、対ロシアではなく榎本武揚を中心とした旧幕府軍とのものでした。土方歳三率いる新撰組の上陸を許し、陸路で搦手方から攻められてあっさり落城してしまった…という、不名誉なことで有名になってしまいました。

松前城・天神坂.jpg

商店街のはずれにあった看板に従い、【天神坂】より登城。
…本当はここは『裏口』なのですが、三ノ丸を見学するならこちらから登った方が簡単です。

松前城・天神坂門.jpg

【天神門】。ここを入ると松前城三ノ丸です。
三ノ丸は松前城の海側に伸びています。
ここには砲台が七基設置され、異国船に備えていました。

松前城・台場.jpg

これは【五番台場】…だったかな。六番だったかな。
土台部分が復元されています。

他にもこのエリアには【鉄砲置場】や【番所】などが平面復元。

松前城・三ノ丸三本松土居.jpg

これが番所跡。
(細いですが)外堀、さらに向こうには二ノ丸の土塀、
【搦手二ノ門】の手前には【三本松】。

松前城・三ノ丸の模型.jpg

番所跡には松前城の全体像がわかる模型も置かれています。

三ノ丸から外堀を渡って、

松前城・搦め手二ノ門.jpg

【搦手二ノ門】。
本来は【搦手二ノ門】〜【枡形】〜【搦手門】と順番に通っていく構造のはずですが、
予算の都合なのか二ノ門しか復元されていません。
ここを通ればいきなり【二ノ丸】です。

現在はここに車道が通っており、それを渡れば天守閣への入城受付です。

松前城・受付.jpg

入城受付。
これは復元建築ではないようです。
このあたりには【多聞櫓】があったようです。

チケットを買って中へ。
地下通路を通って直接天守閣へ入れます。

〜〜

松前城の天守閣は戊辰戦争や太平洋戦争をくぐり抜けて残ったのですが昭和24年に火災で失われてしまいました。現在あるのは鉄筋コンクリートによる外観復元天守です。中は例によって博物館になっています。

展示物でもっとも目を引くのはアイヌ文化の紹介です。

松前城・アイヌ民俗資料・民族衣装.jpg

地下の展示室にはアイヌの民族衣装や道具などが多数展示してあります。

松前城・アイヌ民族資料・熊の爪付き冠.jpg

熊のツメで飾った冠などというものもあるんですね。

松前城・松前城資料館・甲冑.jpg

上の階には(まぁお約束ですが)江戸時代の武具や当時の絵図などがあります。

松前城・松前城資料館・長者丸関係.jpg

松前藩側の資料では御用船であった【長者丸】関係のものが興味を引きます。

松前城・天守閣・最上階.jpg

最上階には榎本武揚や新撰組の面々の写真、アイヌの族長たちの絵が飾られています。
展望室という扱いではないようで、窓の手前に展示台が置かれているなど外を眺めるには不向きなレイアウトになっています。

松前城・天守閣からの眺望1.jpg

窓のスキマから外を眺めてみました。
海の方向のはずですが…木が邪魔で見えなません…

松前城・天守閣からの眺望2.jpg

先ほど登ってきた三ノ丸方向。

〜〜

天守閣の出口は本丸側に開いているはずですが…
現在の本丸は、何もない広場になっています…。

松前城・大手門.jpg

通路を通っていくと、この【本丸御門(大手門)】から二ノ丸へ出ておしまい。

松前城・大手門と天守閣.jpg

天守閣と大手門を並べて見ると…天守閣の規模の割には大手門が立派すぎるような気もします。
この写真は二ノ丸側から撮っているのですが、大手門と天守閣の間の屏は裏側から見るとただの木の板。他の城では両側から漆喰を厚く塗って補強してあると思うのですが…元々こうなんでしょうか?

松前城・二ノ丸.jpg

二ノ丸全景。
1つ前の写真の、天守閣石垣前あたりからの撮影。
写真右側フレーム外に天守閣石垣、左側は(見えませんが)海です。
この写真だとほとんどただの広場ですが、海側にはベンチが数基設置されています。

松前城・本丸玄関.jpg

また、二ノ丸の大手門に近い隅の方(1つ前の写真の右寄り奥)には、
木に隠れるようにして本丸御殿の表玄関部分が保存されています。

江戸時代からの現存建築は【大手門】とこの【本丸御殿表玄関】、
そしていまの城跡公園内ではありませんが【寺町御門】だけだそうです。

…木の陰になっていたので最初は物置かと思ってしまいました…。

〜〜

松前城・天守閣石垣.jpg

天守閣の石垣をみると、あちこちに拳大の凹みや指が入るくらいの穴が開いているのですが…
これが戊辰戦争時の砲弾・銃弾の跡でしょうか?

ここを過ぎると出口。

というわけで最北の日本式城郭、興味深く見学しました。

〜〜

【松前城】
北海道松前郡松前町字松城144
開館期間:4/10〜12/10
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
入城料金:大人350円、小中学生230円
見学所要時間:有料エリア(天守閣+二ノ丸)だけなら30分〜

交通:
JR【木古内】駅より【松前】行きバスで約90分、【松城】下車(片道1220円)
※木古内でバスに乗るときに2000円のプリペイドカードを買えば往復で200円安くなります。
※函館市内でもバスに乗るならもっと高いカードを買ってもいいかも

【松前藩観光奉行】サイト
http://www.asobube.com/
松前方面へのバス時刻表も掲載されています。



松城バス停付近

大きな地図で見る

松前城管理事務所(入城受付)前

大きな地図で見る
posted by MAX CARTER at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) |
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