2009年08月05日

根城の広場

この時点で2時過ぎ。盛岡へ回るのは不可能になりました。
まぁ三沢航空科学館が予想外に面白かったのでいいのですが…。

盛岡はまた別の機会に見物することにして、
八戸市内にある【根城】を今回の東北一周旅行の最後の見学地とし、夕方(現地の閉館時刻)までかけてゆっくり見学することにしました。

八戸駅から根城まではバスで移動。
僕が見学に行く先にしては珍しく(苦笑)、20分に1本もバスが出ています。

〜〜

15分ほどで現着。
今回は山登りはなし。普通の町中の、ちょっと広めの公園といった風情です。

城郭はかなり広いものだったようですが、国道104号線(八戸駅からのバスもここを通ってくる)によってほぼ中央で分断されています。
そのうち北側、本丸を含んだ領域が【根城の広場】として整備されています。

根城の広場入口.jpg

根城の広場入口。

今まで見学してきた多くの城が戦国時代〜江戸時代に築城された物なのに対して、
この【根の城】は中世に築かれた武士の館。
大規模な石垣や土塁もありません。

根城八戸城東門1.jpg

この門は根城の物ではなく、八戸城から移築した物だそうです。

根城堀1.jpg

入ってすぐの場所にある空堀。
土地全体が傾いているので濠に水を溜めることができず、全体が空堀で囲まれています。
この写真右手が入口、左手に進むと【東善寺】(郭の名前)。

根城薬草園.jpg

東善寺にある薬草園。
当時から残っているわけではないようですが。

根城通路跡.jpg

とりあえず本丸の方に向かってどんどん歩きます。
このあたりは普通の公園として使われているようです。
芝生の上でボール遊びをしている子供がいたり…。

通路は、城だった頃の通路の位置と同じにしてあるそうです。
そのせいか意味不明なカーブがあったりも…。

根城堀2.jpg

また空堀。
これを渡ると【中館】…戦国時代以降の城で言う二ノ丸に相当するのかな?

根城中館跡.jpg

中館。
建物の復元はされていません。
ただの芝の広場です。

写真右端、道が左に曲がっている角に、根城全体のジオラマが飾られています。

根城木橋.jpg

そしてこの橋を渡ると本丸。
【木橋】と看板が出てますがスチール製です(笑)

根城木橋2.jpg

本丸側から木橋を見るとこんな感じ。
なぜか中館から直接水平に橋を渡さず、濠の中に一段下がったところから本丸に向かって登っていくようになっています。

発掘調査時、本丸側には橋脚の跡が見つかったのに対し、対岸の中館側にはどこにも橋脚跡が見つからなかったことから、このような形式で復元したのだそうです。

根城北門.jpg

木橋を渡ったところで道は2つに分かれます。
右へ行くとこちら、【本丸北門】。

根城東門.jpg

左へ行くとこちら、【本丸東門】。

騎馬で城へやってきた人は木橋を渡った位置で馬を下り、
馬は従者に引かれて右の道を上り、馬小屋へ
人間は徒歩で左の道を上り、本殿へ
それぞれ向かうようになっていました。

道も、馬用の方は土、人間用の方は砂利(舗装?)と違いがありました。
復元にあたっては茶色と白とで塗装色を変えることによってそれを表現しているそうです。

馬用の入口の方は現在は締切になっているので、東門の方へ向かいます。
東門を入ったところに受付。
チケットを購入して本丸内部へ。

〜〜

まずは本丸主殿内部の見学をしました。

根城御殿全景.jpg

主殿全景。
城主が来客者と接見したり、馘首の儀礼を行った建物。
大きなL字型の建物で、上馬屋が隣接しています。

根城詰の間.jpg

【詰之間】
客へ出す食事の支度をする部屋のようです。
奥の方に、【広間】で行われている行事用の食事が用意されているのが見えます。

根城茶の間.jpg

【茶之間】
名前の通り、来客に茶を点てる部屋のようです。

根城廊下.jpg

窓はこのように板を跳ね上げるようになっていました。
窓の下の部分の板も取り外すことができるそうです。

根城二の間.jpg

【二之間】
広間の隣の部屋。
左手に中世の弓、右手に戦国時代の鉄砲。時代の違う武器が展示されています。

根城御殿広間.jpg

【広間】
ここでは1月10日の【武者始め】の行事を再現しています。
右奧にいるのが城主の南部政栄、城主と向かい合っている鎧姿の男を『年男』といい、この行事の幹事役のようなものです。

根城武者始め料理.jpg

武者始めの料理。
左上から時計回りに山椒、大豆、生の大根、豆腐汁と質素なもの。

根城御殿通路展示.jpg

主殿内の通路には復元の様子が展示されていました。

根城祈祷部屋.jpg

【祈祷之間】
寺の出張所が城内にあるような物で、住職が当主の家内安全を祈る部屋です。
護摩段があります。

〜〜

主殿の外へ。

根城上馬屋.jpg

主殿のとなり【上馬屋】。
ここは馬を『飼う』場所ではなく、城主が出かけるときに馬を用意する場所。
今で言えば『車寄せ』のような場所だそうです。

馬の腹の下に縄をくぐらせてあるのは、馬が寝てしまわないためのもの。
…馬って一度寝てしまうと起こすのが大変なんでしょうか?

ところでこの馬の顔なんですが。
この場所から発見された馬の頭蓋骨を用いて復顔したんだそうです。
その費用、ウン千万円だとか。

根城中馬屋.jpg

【中馬屋】。
北門からまっすぐの位置にあります。
来客の馬を繋ぐ場所だと考えられています。

もう少し先に【下馬屋】もありますが建物は復元されていないようでした。

根城物見.jpg

【物見跡】
柱の跡が残っているだけです。
あまり規模の大きな櫓があったわけでは無さそうですが。

根城一葉一字供養塔.jpg

【一葉一字供養塔】
これは中世の物ではなく、享保3年に八戸藩士が先祖や根城の戦没将兵供養のため、この場所に法華経を板一葉(一枚)に一字づつ書いて埋めたと伝えられています。

根城常御殿.jpg

【常御殿】
城主が普段生活していた建物。
建物の復元はなく、柱の位置と部屋の区切りのみ再現されています。

根城納屋1.jpg

竪穴式の納屋。
原始時代までもどったような…。

根城竪穴式納屋.jpg

地面が掘り下げられているため、外見の印象よりは広い室内でした。

根城大銀杏.jpg

城内にある大きなイチョウの木。
幹の最大直径4m、高さは20mもあります。
根城築城当時からあるとも言われているようですが樹齢は未確認だそうです。

根城番所と西門.jpg

【番屋】(左)と【西門】(右奧)
西門からは当時の町まで道が続いていたはずですが現在は荒れ放題。門自体も閉鎖されています。
番屋は西門を警備するための建物。
柱と屋根のみを復元し休憩コーナーとして利用されていますが、当時はちゃんと壁もあったはずです。

根城工房.jpg

【工房】
武器の修理などを行った建物です。

根城武器工房.jpg

工房内部。
竪穴式で数十cm地面を掘り下げてあるため、入口は頭をぶつけそうなほど小さく狭いですが中は案外ゆったりと感じます。
内部も当時の様子を復元してあります。右手に弓や矢、左手に鎧などが置かれています。

根城野鍛冶場.jpg

【野鍛冶場】
壊れた鉄鍋や銅線を溶かす作業を行っていた場所です。

根城鍛冶工房.jpg

【鍛冶工房】
ここも竪穴式で、地面より90cmも掘り下げてあります。
鎧や刀、釘など金属の道具・部品を作っていた場所です。

根城鍛冶工房内部.jpg

鍛冶工房内部。
写真左手、ふいごや炉のある場所は壁の表面が木ではありません。

根城板倉.jpg

【板倉】
当主やその家族が奧御殿で使う道具や衣類を収納していた場所です。
かなり丈夫に作られているようです。

根城板倉内部2.jpg

板倉の中。
衣装箱や食器などがありました。

〜〜

戦国時代以降の城ならかなりみてきたつもりでしたが、
中世城郭は初めて見るものばかりでした。
非常に興味深く見学することができました。

〜〜

【根城】
http://www.hachinohe.ed.jp/haku/hiroba.html
青森県八戸市大字根城字根城47

本丸以外は見学自由
開場時間:9:00-17:00(16:30最終入場)
休館日:毎週月曜日(第一月曜日・祝日の時は開館)、祝日の翌日(土・日曜日の時は開館)、年末年始(12/27-1/4)
入場料:大人250円、高校生・大学生150円、小中学生50円

八戸市博物館との共通入場券:大人400円、高校生・大学生240円、小中学生80円

見学所要時間:1時間〜

タグ:青森県
posted by MAX CARTER at 16:00 | Comment(0) | TrackBack(0) |
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